Canon EOS R5がメイン機だった僕ですが、野鳥撮影用にSEL200600Gを導入したいと思い立ち、その流れの中でα7Ⅳを導入、現在はマウントを全てSONY Eマウントに統一しています。
そしてα7Ⅳを野鳥撮影機として数ヶ月使用していましたが、現在はα7RVへバトンタッチしています。
そこで野鳥撮影機という目線で、α7Ⅳからα7RVに乗り換えた感想をお伝えしていきたいと思います。
最初に野鳥撮影機としてSONY α7Ⅳを選んだ経緯と理由
冒頭でもお伝えした通り、Canon RFマウントがメイン機だった頃にα7Ⅳを導入しました。CanonからSONYへマウント変更した経緯は下の記事でも説明しています。
当時はRFマウントの「100-500」や「200-800」に納得がいかずに「SEL200600G」を導入したワケですが、その際に合わせて購入したのがα7Ⅳになります。
サブ機の様な立ち位置の野鳥撮影専用機として導入する予定だったこともあり、予算は中古市場で「15万〜30万」程を目安に、そこで候補に上がったのが以下の4機種になります。
SONYの野鳥撮影カメラの候補
- α7Ⅲ
- α7Ⅳ
- α7RⅣ
- α6700
更にこの4機種を簡単に表にまとめてみました▼
α7Ⅲは2024年9月現在の中古市場では15万円〜と比較的買いやすい価格帯まで値下がってきています。しかしα7ⅢはCanon RFに移行する前に所有していたこともありボツに。
次に、唯一6100万という高画素を誇るα7RⅣに目を付けました。価格も中古市場で22万〜25万円程度と許容範囲です。しかしながらこちらは画像処理エンジンが1世代前の「BIONZ X」です。
やはりサブ機として導入するとはいえ、1世代前の画像処理エンジンには納得がいかずα7Ⅳとα6700の2つまで選択肢を絞りました。更にこの2機種は鳥瞳AFを搭載している点でも優秀な選択肢となります。
そしてα6700はファインダー位置とAPS-Cフォーマットという点が納得できず、3300万画素という若干のトリミング耐性を持つα7Ⅳがベストと判断し、購入に至りました。
検討を重ねて結局「新しいモノが1番!」という結論になりました。
簡単ではありますが、SEL200600Gを使用したいという理由の元に導入したのがα7Ⅳになります。
α7Ⅳを野鳥撮影カメラとして使用して良かった所と気になった所
良かった所
元々、SEL200600Gが使いたいという理由でSONY機を導入したワケですが、α7Ⅳと当レンズを使用して野鳥撮影を行ってきた感想としては概ね満足といった所でした。
超望遠レンズと組み合わせても取り回ししやすい
α7Ⅳ(658g)とSEL200600G(2115g)合わせて2773gと数字で見る分には少々重たい印象もありますが、SONYのコンパクトなカメラ・レンズ設計のおかげでさほど気にならずに手持ち撮影も多々行いました。
結局、野鳥撮影としてはシーズンオフともいえる夏場にα7Ⅳを導入して使用してきた為、木々には葉がたくさんついていて枝や葉被りが多々発生する環境でもありましたので鳥瞳AFについては作動しないこともありましたが、これは時期も悪いと妥協。もちろん明るい場面ではしっかりと瞳にピントを合わせてくれました。
やはりSONYの瞳AFは抜群の性能です!
次に3300万という画素数について、
見出しのアイキャッチに使用した作例は上の比較の通り、かなりトリミング調整を行っていますがスマホなどのデバイスで閲覧するには許容範囲です。
画素数については満足とまではいきませんが、総じて野鳥撮影に対するα7Ⅳの使用感は概ね満足して使用することができました。
気になった所
気になった所
- 野鳥撮影においては「チルト液晶」が好ましい
- トリミングは可能ではあるが満足はしていない
- 単純に最新上位機種のα7RVで野鳥を撮りたいと感じさせられた
まず僕自身、背面モニターについては断然「バリアングル派」ですが、野鳥撮影においてはこれは例外となりました。
手持ち撮影においてはモニターの稼働方式は正直どちらでも構いませんが、ジンバル雲台や照準器を用いたガチ装備の日には「横撮影」しか行いませんのでバリアングル液晶ではワンアクション必要次となり液晶展開が面倒です。
野鳥撮影に便利なアクセサリ
次にトリミング耐性について、前述した通り比較画像からトリミング耐性はご覧頂けたかと思いますが、やはり満足のいくものではありません。
3300万という画素数の中で、野鳥に忍び寄る技術が伴ってさえいれば問題ないのでしょうが、やはりRシリーズは6100万画素を搭載していると知ってしまっていることもあり、高画素を活かしてもっと野鳥に「寄りたい」と感じる様になりました。
結局、野鳥撮影には高画素機一択です。
後述しますが、上記の悩みについてはα7RVであれば全て解決可能なため、数十回の野鳥撮影の機会を経て最新上位機種のα7RVが気になってきた。という流れになります。
野鳥撮影機としてα7RVを導入した理由
それではα7RVを導入した経緯と理由について。前述している内容もありますが、α7Ⅳとの比較を交えながらお伝えしていきたいと思います。
僕がα7Ⅳとα7RVを比較する中で重要視している内容をピックアップして表にしてみました。こちらの内容に沿ってお伝えしていきたいと思います。
画素数について
表の上から順に、まずは画素数について。
α7Ⅳの3300万画素というスペックは必要十分ではありますが、やはりトリミングを多用する野鳥撮影においては満足しきれない印象がありました。何をもって満足とするかは人それぞれにはなりますが、やはり写真撮影が趣味な以上は時にプリントして飾ったりしたいものです。そんな理由から高画素機が欲しいと感じる様になりました。
更にこれは論点がズレてしまう内容にはなりますが、この頃Canon RFマウントは全て手放しSONYの大三元GMレンズに入れ替えを行いました。
これまで4500万画素のEOS R5をメイン機として扱ってきた以上、それがα7Ⅳに置き換わったと思うとカメラ本体のグレードが下がってしまった印象もありました。
画素数含めて、野鳥撮影機以外の観点からもカメラを見直す必要があり、α7RVが必要だと感じました。
新開発 4軸マルチアングル液晶について
贅沢な悩みを解決する「4軸マルチアングル液晶」
僕は基本的に「バリアングル派」でしたが、野鳥撮影においてはチルト稼働の方が良いと何度も思いました。かなりワガママな悩みだったかと自負しています。
風景写真や星景写真。縦横どちらも撮影したい。尚且つローアングルでも撮影したい。この場合はやはり、バリアングル液晶が最適となりますが、ジンバル雲台や照準器などを見据えて行う野鳥撮影においては「横構図」が主軸となり、チルト液晶が最適です。
そんなワガママな悩みを解決できるのが、まさにSONYでは唯一α7RVが搭載した新開発4軸マルチアングル液晶の一択となっていてこちらもかなり魅力的な点の1つだったと言えます。
ファインダー、背面液晶の解像度が圧倒的
α7Ⅳとα7RVの比較
ファインダーはSONYのカメラの中でクラス最高解像度を誇る、944万ドットとなっています。
α7Ⅳと比較すると約2.5倍のファインダー解像度となっていて、比較すると本当にファインダーを覗く楽しさや満足感を感じることができます。
更に背面液晶についてもα7Ⅳの”3.0型液晶“から一回り大型化し、α7RVでは”3.2型液晶”となっています。加えて解像度についても約2倍となっているので、撮影した写真を拡大して確認したり、単純にファインダーを使わずに撮影する際にも優位に働きます。
このあたりの差についてはやはり写真を撮影する楽しさに直結する部分となりますので非常に魅力的なステップアップと言えますね。
手ブレ補正について
α7Ⅳでは約5.5段分となっていた手ブレ補正についてもα7RVでは約8.0段と大きく向上しています。
超望遠レンズを手持ちで振り回す野鳥撮影においてはこれがかなり有用的です。これに関してはお近くのカメラ屋などで実際に比較して体感して頂くことをオススメしますが、やはりあって嬉しい機能の1つと言えますね。
AF検出対象と「AI AF」について
AF精度の良さについてもα7Ⅳと比較すると一目瞭然です。
更にα7RVでは鳥の瞳以外にも頭や体も検出対象に加えることが可能となっています。そしてSONY機種では比較的新しい機能の「AI AF」まで搭載されています。
実用性について巷では、「AI AFは必要ない」などといった声も聞いたことはありますが、正直あっても困らないでしょと思ってしまいます。つまり、あって損は無い機能となり、「AI AFはあった方が良い」という結論になるかと思います。
AI AFについてはその文字通り、AIを駆使して体や頭の形から、ここに瞳があるだろうと認識してピントを合わせてくれます。
特にすばしっこい動きが当たり前の野鳥撮影においてはAF精度は要となってきますので、α7Ⅳからのステップアップとしては非常に満足のいく結果となるかと思います。
以上の内容が、僕がα7Ⅳからα7RVに乗り換えをした経緯と理由になります。
α7RVとFE200-600mm f5.6-6.3G OSSで撮影した作例
その他の作例は以下の記事でも紹介しています。
野鳥撮影カメラとしてα7RVを使用した感想
良かった所 | 気になる所 |
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トリミング耐性抜群の6100万画素 チルトもバリアングルも可能 AF性能 | 写真1枚のデータ量が大きい 4軸マルチアングル液晶が壊れてしまう不安がある |
今ではα7RVがメイン機となっていますが、野鳥撮影においてもしっかりと活躍してくれています。
前述した通り、6100万画素から繰り出す写真は大幅なトリミングが可能で、小さな被写体を狙う野鳥撮影には最適解だと感じました。
しかし高画素故にデータ量が比例して大きくなります。更に野鳥撮影においては連写が当たり前となりますので、加えて悩みの種になってしまうかと思います。僕はα7RVの導入に合わせて256GBのCFexpressカードを2枚追加しましたが、HDDやSSDなどの環境も見直す必要がありそうですね。
4軸マルチアングル液晶については僕のワガママを叶える最高な機能となりましたが、こちらも若干壊れてしまいそうな雰囲気を醸し出しています(笑)
また4軸マルチアングル液晶のチルト稼働については片手では若干チルトが引き出しづらいと思いました。こちらは新開発の機構になりますので、今後の次機種では改善されていくことを願うしかありませんね。
AFについても野鳥の瞳をしっかりと捉えてくれる優秀な精度となっていました。しかしながらカラスなど大きな鳥には、何故か瞳AFが作動しなかったため今後検証していきたいと思います。
感想のまとめとして、あえてマイナスな面もお伝えしましたが総じて「野鳥撮影に最適解なカメラ」という印象で、α7Ⅳから買い替えを検討している方はすぐに買ってしまいましょう!といえるカメラだと思いました。
α7Ⅳとα7RV、大きな価格差にはしっかりとした大きな満足感が得られる理由があると感じます。
まとめ
野鳥撮影機としてα7Ⅳを導入し、メイン機を兼ねてα7RVを導入した経緯と感想をお伝えしましたがいかがでしたでしょうか。
現在はα7Ⅳとα7RV、スナップ機としてZV-E10を使用していますが、今後はα7Ⅳとはお別れし、α7RVには野鳥撮影以外でも活躍してもらう予定です。
野鳥撮影機として見たα7Ⅳも優秀ではありましたが、やはり高画素と高性能ファインダー、高性能AFを搭載したα7RVには一歩及ばずといった所ですね。
これからはα7RVを長らく愛用していきたいと思います。
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